機動戦士ガンダムの誕生秘話「戦争物を作りたくて企画したわけではない」

   

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機動戦士ガンダム

 

皆さんご存じ国民的アニメ。

この作品がどのようにして生まれたのかご存じでしょうか。

ネットで探すといろいろ出てきます。

どれも正しい情報かもしれません。

 

私は大学の頃、機動戦士ガンダムの監督である富野由悠季監督の講義を拝聴する機会がありました。

そのとき聞いたお話をさせていただこうと思います。

 

TVアニメを放送するだけでは儲からない

 

ガンダム誕生秘話の前提として、知っている人も多いかもしれませんが、昔からTVアニメはTV局から支払われる制作費が少ないのです。

これは日本最初のTVアニメである「鉄腕アトム」の頃からだそうです。

アトムが放送されるまでは、TV局側はアニメで視聴率がとれるはずがないと言ってなかなか放送してくれなかったようで、それに対し手塚治虫監督が格安で放送してもらえるように頼んだのだとか。

実際、TV局から支払われる制作費よりも実際にかかった経費の方が上回ってしまっていたため、制作スタッフへの給料は手塚治虫作品の漫画の印税から支払われていたそうです。

ただ、あくまでもTVアニメは芸術性よりも商業性を重視しています。

ただ放送するだけでは利益がないですが、TVアニメのメイン収入は著作権収入です。

おもちゃやコラボ商品、そしてBlu-rayやDVD、VHSなどもそうです。

これらのグッズで利益を出しています。

そのため、グッズが売れないアニメはそれ一本で制作会社を潰してしまうほどのダメージを与えることもあります。

 

ちなみにガンダムで有名な著作権収入はガンプラです。

こういったガンプラなどのおもちゃが、誕生秘話に大きく関わってきます。

 

機動戦士ガンダムは最初から戦争物を作りたくて企画したわけではない

 

 

機動戦士ガンダムが最初に放送されたのは1979年。

当時、アニメ制作メーカーの日本サンライズは「無敵超人ザンボット3」や「無敵鋼人ダイターン3」といったロボットものを制作しており、同時に玩具メーカーのクローバーがおもちゃ制作を行っていました。

ガンダムも玩具メーカーが企画段階から参加し、おもちゃを売るために制作されたそうです。

しかし、当時のロボットものアニメの大半は、「正義vs悪」という構図で作られており、作中での戦闘は基本的に1対1。

そのため、悪のロボットは多くの種類が登場するものの、正義側は1種類しかいないことが多かったのです。

メーカーは悪のロボットも含めて多くのおもちゃを制作するが、どうしても正義側の1種類しか売れなかったようです。

上記の通り、おもちゃが売れないとアニメ制作会社には利益が出ない。

おもちゃが売れるようにするにはどうすればいいのか。

玩具メーカーはどうにかしておもちゃを売りたい。

ガンダムの企画から任されていた富野由悠季監督はこう言いました。

 

「おもちゃを売りたいならロボットをたくさん登場させればいい。それなら人間対人間で戦争させるのが一番だ。」

 

人間対人間は、言い換えるなら「正義vs正義」

お互いの正義をぶつけ合うため、どちらの勢力にもファンが付きやすい。

さらに、人間同士の戦争にはお互いに新兵器が出てくるので、新しいおもちゃを出しやすく出来ます。

 

つまりガンダムという作品は、おもちゃを作るために戦争をやらされていた訳です。

とてもビジネス的に考えて作られた作品だったのです。

 

今では大人気のガンダムも放送当初は人気がなく打ち切られていた

 

実は、機動戦士ガンダムは打ち切りアニメでした。

打ち切りが決定し、放送終了間際になってから人気が出始めます。

その頃にバンダイがガンプラを作り始め、一番人気に火が付いたのは再放送なのです。

それが今ではもう数え切れないほどの続編やスピンオフ作品を生み続け、現在放送中の鉄血のオルフェンズも大人気。

ガンダムという一つのブランドが出来上がっています。

富野由悠季監督は本当に素晴らしい作品を生み出された方ですね。

 

 

ちなみに、その時の講義で私が一番印象に残っていたのは

ショッキングピンクのシャツに黒のオーバーオールという、富野監督のファッションセンスでした。

いろいろ衝撃的な講義でした。

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小野山 拓朗

小野山 拓朗

兵庫県養父市にて、自転車屋「サイクルランドようか」の二代目として修行中のアラサー。趣味は映画やアニメ鑑賞、読書、たまにカメラ。勉強も兼ねてロードバイクも始めました。今年の目標は10㎏痩せること。現在1㎏増です。

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